インドネシアでロードトリップ。バリからバンドンまでBBQライドへの旅
ドライブ旅行が嫌いな人なんていないだろう。デウスのファミリーメンバー、そして自称チョッパーマニアのデデ・ジュンサは、バリの自宅からバンドン・ジャワで開催されるイベント、BBQライドに行くには、バイクで行くのが一番だと考えた。それの何が特別なの？と思う人もいるかもしれない。でもそう思った人は、925キロの道のりを165ccに大改造したホンダGLプロで走る、というのがどんなことなのか、もう一度考えてみてほしい。
バリ島最西端のギリマヌックにある港までの70キロの道のりは、まさにこれから起こることの前触れだった。バリ島とジャワ島を結ぶフェリーに乗るためには、待ち時間や官僚主義、トラックの騒音に悩まされる港を通過することは避けられない。
ジャワ島東端のケタパン港に停泊して間もなく、デデと彼の仲間はようやく船を降りることができた。イジェン山とバルラン山の間の狭い溝を走るため、まずは北へと出発。西に曲がるトラックの列の中を、うまく通り抜けなければならなかった。そのルートで待ち受けていたのは、山脈や泥道、砂利道にヘアピンカーブ。そして最も危険なのは、道中何度も現れるトラックの大群だった。600キロ、時間にして19時間ほど経ったあと、彼らはジョグジャカルタに到着した。 (飛行機だと約1時間半）
ただのサドル痛とは呼べない痛みが襲う。しかし、ライドは終わっていない。ここは身体とタンクに燃料を補給する場所。単なるピットストップだからだ。そして、バンドンへの最後の追い込みの前に、マナシ・ライドと合流する場所でもあった。そこに現れたのは彼らだけではない。インドネシア全土の何百人もの人々が、同じようにバンドンへ向かっていたからだ。目的はただ一つ、週末を見知らぬ仲間達と一緒に過ごすこと。自分たちが乗っている、バイクという工芸品への愛を共有できる仲間達。私たちは、彼らを「In Benzin Veritas」と呼んでいる。ラテン語で、「俺たちはガソリンを信じる」（In Petrol We Trust）を意味する言葉だ。(「In God We Trust」という“我々は神を信じる”を意味する言葉があり、ゴッドをガソリンに置き換えた言葉)
BBQライドは、ただ参加するだけのショーでもなければ、展示会でもフェスでもない。毎週末ローテーションで開催されるバンドのコンサートでもない。BBQライドの本質、そしてそこから芽生えたものは、友人、友人の友人、そして友人の友人の友人とみんなで一緒にバイクに乗ること。だから、このイベントに溢れんばかりのバイクが集まったことに驚く人はいなかった。
カスタムバイクを持っているライダーたちはバンドンのピッカーズストアに集合せよ、とイベントのオーガナイザーから通達があり、デウスファミリーのライダー、サンディ・マウラナとデデ・ジュンサは、300人以上のライダーと合流した。みんなで並び、様々なバイクがスマレコン通りを駆け抜け、「ローリングサンダー」と呼ばれる行列が、ちょっと怖くもありエキサイティングでもあるビッグノイズをバンドンの街に鳴り響かせる。スタートダッシュを決めるには、最高の方法だ。
現地にいる私たちの仲間は、いくつかの他のコミュニティと合流した。ソレイス・モーターのプンキ・マルダニと私たちの友人、マナシ・ライドのハリス・ファッチュロフマン、そしてマラン、タンゲラン、ボゴール、ジャカルタからの他のグループの数々が、2023年のBBQライドで兄弟愛を祝福し合っていた。エンジンの回転音でアドレナリンは全開。そして街が見えてくるとその高揚感は和らぎ、森や公園、村々を抜け、曲がりくねった田舎道を走った時に感じる幸福感にシフトしていった。ピットストップで景色を眺めながら、おしゃべりをしたり、コーヒーを飲んだりする時間もあった。
このユニークなイベントは、インドネシア全土からライダーが集まり、音楽に浸りながら、私たちがありのままの姿でいられる場所で開催される。笑いが絶えない中、私たちは皆で一緒にいくつかの難題を乗り越え、グループで一つとなって素晴らしいライディングを体験し、クールなカスタムバイクの数々をチェックすることができた。
愛好家同士がコミュニティを作り、終始ライディングへの愛を分かち合っていたこの週末は、より一層価値のあるものになった。
BBQライド、素晴らしい経験をありがとう。すでに来年が楽しみだ！
Sandi Maulana / Dede Juntha / Solace Motor / Pungky Mardhany / Manasi Ride / Haris Fatchurohman
