
4月へようこそ。
始まりきってもいなければ、まだ頂点でもない。ただ世界が静かに、確かに移り変わっていくその狭間。
北半球では冬がようやく力を緩め、南半球では陽が少し早く沈み、空気に冷たさが混じり始める。今月の“Oily Rag”は、そんな境界線の上にある。レガシーと再解釈が交差し、空気感が物語を形づくり、過去から現在へと影響が静かに受け継がれていく場所。
創造の交換とカルチャーの重み。時間をゆっくりにする儀式と、前へ押し進めるエネルギー。音楽、イメージ、ストーリーテリング、そのすべてを通して、4月は独自のテンポを刻んでいく。気負わず、自然に、そして絶えず変化しながら。
まさに、Deusが遊び続けるためのフィールド。
Until May,
Deus Team

#1 DEUS X AGTZ: モダンコーチビルディング、その新章。
Deus Ex Machina と Zagato、そして La Squadra のパートナーシップから生まれた、唯一無二の AGTZ Twin Tail。
その最終章を仕上げるべく、Deus Ex Machina が最後のクリエイティブレイヤーとして招かれた。
#2 READING, WATCHING, LISTENING - WITH LUKE EBERT
世界のスピードを少しだけ緩める、ゆっくりとした営みと小さな儀式。
それは、すぐに消費されることを拒み、答えを急がない。
Luke Ebert — Deusのビジュアルアーキテクトにして、美意識の地図製作者、そして“Pantoneのハイプリースト”が続ける日々のルーティンは、常に新しい影響を受け入れるための余白を彼自身に残している。

WATCHING
Fishing with John — ジャズマン、John Lurie が仲間たちとただ釣りへ出かけるだけ。
Jim Jarmusch、Tom Waits、Matt Dillon、Willem Dafoe、Dennis Hopper らが出演する、ゆるくて奇妙で妙に心地いい一本。
Rex Hunt's Fishing Adventures に次いで、僕の2番目に好きなフィッシング番組。
Painting with John — これを語るなら、こっちも外せない。
生粋の変わり者、John Lurieによるもうひとつの不思議な傑作。静かで、ユーモラスで、どこか人生そのものみたいな空気が流れている。
Martijn Doolaard — イタリア・アルプスで山小屋をセルフリノベーションするオランダ人のYouTubeシリーズ。
都会仕様に飼い慣らされた感覚を、毎週少しずつ解毒してくれる。完璧なまでにスロウ。

LISTENING
順不同。最近、擦り切れるまで聴いているアルバムたち。
- The Hard Quartet — セルフタイトル
- New Threats from the Soul — Ryan Davis and the Roadhouse Band
- Ridin' Dirty — UGK
- Sunn O))) — SUNN O)))
- Eric Dolphy in Europe Vol. 1 — Eric Dolphy
- Take No Prisoners — Lou Reed
- Naturally — J. J. Cale

READING
ここ1〜2年で、特に印象に残った本たち。
- Nina Simone's Gum — Warren Ellis
- Brief Interviews with Hideous Men — David Foster Wallace
- Junky — William S. Burroughs
- Waterlog — Roger Deakin

#3 Between Then & Now — In Rotation Vol.13 with KENNY L
時代と時代、その狭間を漂うようなセレクション。
剥き出しの感情と、ノスタルジーと現在が混ざり合うプレイリスト。そこには確かにロマンスがある。
Deus Records常連の KENNY L に話を聞いた。
“過剰さ”ではなく、“意図”にチューニングされた空間について。
Records night?
Deus Recordsの夜は、空気感そのものが少し違う。
ただ騒ぐためじゃなく、音楽を求めて人が集まってくる。だからこそ、より深く潜れる。ディープカットを選び、ストーリーを描き、予測不能な流れをつくれる。
よくあるクラブナイトというより、音楽を共有するための場に近い感覚。
ジャンルか、空気感か。
常に空気感。
ジャンルはあくまでフレームであり、ツールに過ぎない。本当に大事なのは、その場の空気を読むこと。フロアの感情温度を感じ取ること。
グルーヴが必要なのか、高揚感なのか、削ぎ落とした静けさなのか、それとも強烈な熱量なのか。
その瞬間のムードに合わせてセットを組み立てていく。
ノスタルジーは、共感のため? それとも別の場所へ連れていくため?
どちらも。
ノスタルジーには、一瞬で人を繋げる力がある。誰かにとって馴染みのあるものをフックにできるから。
でもそれは同時に、“橋”でもある。
聴き慣れた何かから始めて、そこに違和感や新しいレイヤーを重ねながら、思ってもいなかった場所まで連れていく。
バリ、ジャカルタ、その先へ。
街ごとに、それぞれ違うリズムがある。
バリはもっと自由でスロウ。実験的なサウンドも受け入れられやすく、インターナショナルな空気が強い。
ジャカルタはスピード感があって、エネルギーも高い。勢いに対するリアクションがとてもダイレクト。
ほかの街はもっと親密で、パーソナルな空気を感じることもある。
自分にとって、一番大事なのは適応すること。
決まったテンプレートを持って挑むことはない。空気を見て、人を感じて、その場で変えていく。
DJっていうのは、音楽を流すことと同じくらい、人を読む仕事だと思う。

#4 DEUS X Linkin Park
Deus Ex Machina は、Linkin Park のオーストラリアツアーに向けたリミテッドマーチコレクションを制作。
モダンロックの世界的なサウンドを形づくってきたバンド、その存在感と重量感を映し出すためにデザインされた。
20年以上にわたり、Linkin Parkはシーンの巨人として在り続けてきた。
一世代を定義し、サウンドの境界線を押し広げ、スタジアムからサブカルチャー、そしてメインストリームまでを横断しながら、その存在を刻み続けている。
すべてのピースは、ツアーが持つ熱量とアーカイブからのインスピレーションをベースに構築。
それをDeusならではの視点で再解釈した。
カルチャーの記録物であり、モッシュピットのユニフォームでもある。
そんな境界線の上にあるマーチコレクション。