モト・ビーチ・クラシック 2022
昔からビーチ・パーティーが大好きだった僕は、毎年、モト・ビーチ・クラシックが開催されるたびに、オナラが風に吹かれるよりも早く、パーティー用のパンツにサッと着替える。モト・ビーチ・クラシックは、ヴィンテージバイクのレースが繰り広げられ、2万人の観客、そしてレッドブルのストレート・リズムで活躍する世界でトップのスーパークロス・レーサーたちが集まるイベントで、僕の故郷、ハンティントン・ビーチの砂浜で開催されている大会だ。
今年は、例年と全く同じように見えて違っていた年だった。でも、一つだけ変わらなかったのは、モーターサイクル・サーカスの団長、ローランド・サンズ。今年もまた、彼は移動サーカスを買って出て、ウィリーやスライディング、クラッシュしながら世界を飛び回る、二輪の変人と天才たちを収集した。
そして、今年新しく開催されたのは、ストレート・リズムというイベント。ターンやコーナーのない、一直線に伸びたスーパークロスのコースで行われ、ジャンプ、フープ、リズムセクションを含む全長1km以上のドラッグレースで、世界トップクラスのスーパークロス・レーサー達が競い合い、その勝者がキングの称号を手にすることになる。
ローランド・サンズからの誘いがなければ、僕たちはトラックの横でキンキンに冷えたドリンクをすすりながらレースを見ていただけだったかもしれない。でももちろん、ローランドは、僕らに声をかけてくれて、デウスを代表する、最高のヴィンテージ二輪のモトクロッサーたちに、デウスの「ヴィンテージ・エア・クールド」クラスと名付けられた、モト・ビーチ・クラシックのフラット・トラックでのレースに参加するチャンスをくれた。キアラン・ナランと僕が選んだのは、ラパーリア・レーシングの1970年製CZ、250ccと400ccのペア。マイク・ラパーリア、本当にありがとう!
僕らの家からレース会場までは、なんとたったの1km。通勤時間が毎日こんなに短かったら最高なのに…
モト・ビーチのレースプログラムはゆるく、レース自体はもっとゆるい。観客たちは、追い抜きあう接戦を見るのが大好き。特に衝突は、皆の大好物だ。朝の受付を済ませたあと、キアランと僕は列に並び、自分たちが入れそうな場所に滑り込んだ。いくつかのヒートが終わり、観客たちが騒ぐ中、メインイベントがスタート。キアランは1週目で前に飛びだし、僕とキアランの間にいたのは一人だけで、僕は3位につけていた。そして6週回った後、まるでそのレースに人生を賭けているかのように全力で走る選手が僕の前に入ってきて、“やばい!”と思った瞬間が何度も訪れる。
しかしなんと、その正体は、一位でゴールを決めたキアランだった!バイクの破壊魔と知られるデウス・クルー。でも今回は、ひっくり返ることなく、バイクを壊さずにレースを終えることができた。こんな奇跡は、もうきっと起こらないだろう。
Words by Forrest Monchinton フォレスト・ミンチントン
Rider - Ciaran Naran Forrest Minchinton
Photos by @johnryanhebert & @martyrobertson
Video by @cody_pokorny
#deuscustoms