ヤマハヨーロッパが展開してカスタムシーンに一大ブームを巻き起こしたカスタムプロジェクト「Yard Built/ヤードビルド」を知ってますよね? まぁアレ、今や誰もが知ってるプロジェクトですが、インドネシアのビルダーがそれに参加したことはなかったのです。ただヤマハの新型車「XSR155」が発売されて、ちょっと雲行きが変わりました。
Yard Builtは「XSR155」をベースにしたプロジェクトを発表。そしてデウス バリは、
XSR155をカスタムする、バリを拠点とする4つのBengkelのひとつに選ばれました。Bengkelとはインドネシア語で「Work Shop」のこと。日本的に言うと「カスタムショップ」というところでしょうか。XSR155の可能性を目一杯引き出してね、というのが今回のミッションでした。そしてヤマハからのリクエストは2つ。フレームとエンジンには手を加えないこと、でした。そして完成したのが、この車両「赤トンボ」です。
まぁ、この名前を聞いてピンと来た人は大勢いると思いますが、最後までこの文章を読んで下さいね。
最終的なデザインは、我々の日常生活にフィットしたモノになりました。僕らは仕事の前にサーフィンをするのでバイクに乗ってビーチに行くし、家に戻ってからサーフラックを外して、そのバイクで出社する。そして夜には、少しドレスアップしてパートナーと一緒に2人乗りで街にディナーを食べに出かけちゃう。それを全部、1台でこなせるようにしたのです。
このプロジェクトで素晴らしかったのは、チームが一丸となってデザインを進められたこと。
皆が出したアイディアの最高の組み合わせをカタチにできたのです。
そしてヤマハ発動機が1955年に最初の造ったバイク「YA1」へのオマージュとすることも、皆で決めました。そのYA1のニックネームが「Red Dragonfly/赤とんぼ」でした。車体色の赤を選ぶとき、その赤とんぼの“赤色”を参考にしました。
でもYA1にくらべ前後17インチホイールを装着するなど、近代的なシルエットを持っているXSR155。それをYA1に近づけるため、前後ホイールを18インチとし、また外装類を一新。コンパクトでスリムなデザインを造り上げました。それによって前後タイヤとボディで構成する車体バランスを、少しでもYA1に近づけようとしたのです。
とくにアルミやステンレスで構成し、それらを板金加工で仕上げたボディーパーツは、この車両の最大のトピックスです。ステアリングヘッドらスイングアームピボットまでを斜めに貫くメインフレームは、ヤマハとの約束で一切加工せず、しかし燃料タンク先端からシートカウル後端までを一直線で結ぶ水平基調を造り上げることができたのは、タンク&シートとフレームを繋ぐメッシュ素材を使ったパートと、エンジン側面をカバーした穴開け加工のエンジンガートのコンビネーションによって造り上げています。またトラス構造のスイングアームも、このマシンを軽快に見せている大きな要素。もちろんこれも、デウス バリのBengkel Boys達の手によって誕生したのです。
この車両はいま、デウス バリにあります。ヤマハとの約束で、車両はヨーロッパには送らず、バリで僕らの生活の中にあるのです。
そう、僕らはその為にこの「赤トンボ」を造ったのですから。
- Built in 2021. Deus Bali
- Custom sub frame.
- Custom hand built – alloy gas tank, alloy side covers, alloy head light housing, alloy fenders, alloy fork guards, alloy engine & radiator guard, alloy tracker tail, alloy wheel well with integrated seat lock.
- Custom stainless-steel swing arm.
- Custom cast LED tail light. Custom header + SuperTrapp “Shorty” exhaust.
- Hurricane handlebar.
- Ariete hand grips.
- 18” Sprint XD alloy rims.
- TK Racing spokes.
- VND billet alloy hubs.
- 140/80-18 Pirelli Scorpion Rally tyres.
- Upgraded rear sprocket.
- DayMaker LED head light.
- Removable surf racks