Desert EX

Desert EX

ドゥカティは、高性能バイクの代名詞的として知られています。そのメカニズムや先進的なテクノロジーはレースの現場で鍛え上げられ、いまや世界最高峰のロードレースで、ライバルたちを寄せ付けない強さを発揮しています。そのドゥカティがラインナップするエンジンは、V型2気筒もV型4気筒もそのエンジン音が似ていて、それでいて独特です。

また1990年代にドゥカティは、大型バイクでオフロードを走るラリーと呼ばれるオフロードレースにも出場し、いくつもの栄光を手にしてきました。“エレファント”と呼ばれたそのラリーマシンは、当時ドゥカティの親会社であったカジバと共同開発したバイクでした。そして2022年にドゥカティが新型車「デザートX」を発売したときに、古いラリーファンはエレファントの再来だぁ! と胸を熱くしていました。

その「デザートX」がDeusシドニーのガレージに次なるプロジェクトのドナー・バイクとしてやって来たとき、ワークショップのボスであるジェレミー・タガンは、オフロードでの高いパフォーマンスに敬意を表して、ラリーマシン制作をシンプルにトレースしてカスタムすることを決めたのでした。

 

エンジンパワーについては、何も心配することはありませんでした。テスタストレッタと名付けられた排気量937ccのV型2気筒エンジンは110馬力を発揮。鞭がしなるように、弾けるように加速していきますから。そのパンチ力はそのままに、マフラーをテルミニョーニ製に変更し、排気音にもパンチを効かせています。

フロントタイヤが跳ねあげた石からエンジン下側を守るアルミ製のスキッドプレートはブラックアウト。燃料タンクとフロントカウルの側面を守るサブフレームも、ブラックアウトして追加しました。そのサブフレームにはKellermann製Dayronサブライトを装着して車体前方を明るく照らし、Motogadget製ミラーでスタイルアップしながら後方視界もクリアにしています。

タイヤは、さらにオフロード向きタイプに変更。オフロードや悪天候を含めた旅も想定して、タフで防水性が高いUnit Garage製のKhaliサイドバックと、そのバッグを車体に装着するためのバッグ用ホルダーをセット。シートには高級素材のアルカンターラ素材と、汚れや傷に強いドットパターンの表皮を組み合わせました。

そしてオフロードバイクのスタイルアップを目指して邁進しているグラフィックブランドのSKDAが、このDesert EX用にデザインしたグラフィックキットでドレスアップ。タフで伸縮性に優れた素材でバイクの外装を覆っています。

これで完璧。街も砂漠も山の中も、このDesert EXが、最高の相棒になるでしょう!

Built : Jeremy Tagand | Deus Australia 

Photo : Cameron Rogers