Eating the Wind - A word for the wise.

Eating the Wind - A word for the wise.

読書は寝室や自宅でひっそりと行うものだが、おそらく最も愛されている芸術のジャンルのひとつではないだろうか。文学は孤独なスポーツであり、好みは千差万別ではあるものの自然と人気の集まる作品も存在する。ただ、金曜日の午後に地元の仲間とビールを飲みながら話すようなトピックでもないことは確かだ。そんな中、その地元の友人の一人がある本を書き上げたのだが、発売記念イベントの初日の夜は、話題となる本、飲み放題、古い友人も沢山集まった。これだけ条件が揃っていれば楽しくならないわけがない。

ナイジェル・シモンズは30年近く前に人生の転機を迎えた。当時は我々もまだ彼のことを知らず、ここバリで『Yak』誌の編集者として働いていた事がきっかけで知人になった。世界的に雑誌は衰退の方向に向かった為、彼は方向を変えて本を書くことにした。我々含め、誰もが最初に思うのはコロナ禍での転身だったのかということ。しかし、そういうわけではなく、こういう状況になって変わったのは、彼が20年前に書き溜めたメモを取り出して、プロジェクトを再始動する為の時間を取れるようになった事だけだ。本は自伝的な部分もあれば、フィクションの部分もあり、どの部分がどちらなのかは本人に聞かないとわからないが、内容は彼が初めてバリにやってきた頃の青春時代の話だ。

午後から降り始めた雨は夕方まで続いた。ナイジェルの本の完成を祝うためにチャングーまで訪れるのは億劫に思った人も中にはいるだろう。しかし蓋を開けてみると、多少の雨など気にもとめない大勢の人々が、待望の本を手に取り、ナイジェルの今後と健康に乾杯し、彼が書き上げた素晴らしい思い出の数々を楽しげに読んでいた。

バリ島在住の方は著者のインスタグラム経由で、海外の方は下記のアマゾンリンクから、「Eating the Wind」を手に入れることができ、ナイジェルがレールに引かれた人生をやめた後のバリ島での生活を垣間見ることができるだろう。

Nigel Simmonds ナイジェル・シモンズ INSTAGRAM
ハードコピーまたは電子書籍はこちらのリンクから AMAZON 
最後にヌサカーニャラムハイネケンビール、そしてウールシェッドワイン、ドリンクの提供をして頂き感謝致します。
Images by Didit Prasetyo Adiwibowo  Deus Bali