エッジレスボードと言うオモチャ

エッジレスボードと言うオモチャ

オモチャの入れ替えをしながら、手入れをする行為は、衣替えと似ている。海から雪山へ、季節と共にシフトされていく….
シーズンインを目前に“TAPPY”は新たなラインをSNOW BLANKSに描き、デザインに勤しんでいる。コンディションの整うTHE DAYを狙うため、身体の調整(2~3時間以上のハイクアップはざらに行うため、シーズン前には長い散歩で足腰を鍛錬している)、仕事の段取りと余念が無い。自身によるテストドライブ、チェック、リデザイン、は、冬のルーティーンである。
そもそもスノーボードは1960’年代頃“雪山でサーフィンがしたい”という、横ノリの発想からアメリカより派生した遊び?との諸説がある。
シェイパーである“TAPPY”がスノーボードをデザインすることは、横ノリの延長線上にある、ひらめきによるものであり、先人達が追い求めてきた“雪山でサーフィンがしたい”を継承する者とも言えるのかもしれない。なぜなら、“TAPPY”はシェイパーだからだ。
サーフボードとスノーボードのデザインには似ている点が幾つかある。サーフボードで言うノーズロッカーはスノーボードで言う立ち上がり。テールロッカーはキック、コンケーブはソールの形状(フラット、キャンバー、コンベックス)etc….また、シェイパーが、サーフボードを削り出すモデル毎に、BLANKSを使い分ける様に、5種類の異なるSNOW BLANKS(芯材となるポプラ、バンブー、バルサ、カーボンなどが、硬さ、重たさ、柔らかさ、ソール形状毎に組まれている)をベースにモデルをデザインするなど、サーフボード作りと似ている。
大きな違いはアウトラインの弧が外に向いているのがサーフボードで、弧が内に入っているのがスノーボードである。
そして、最もの違いはハンドクラフトによるサーフボード作りと、工業製品によるスノーボードだ。
DEUS POWDER TOOLSは、工業製品化されるまでにSNOW BLANKSをカットし、テストドライブを繰り返す事によって生まれてきた。
ジグソーでカットし、サイドウォールをグラインダーで整える。雪面との接点である“ABSサイドウォール”“エッジ”は工業製品には付属するが、SNOW BLANKSには無い。圧雪バーンでの滑走には不向きで、ソールでの面乗りによるコントロールができるエキスパートしか扱え無い。バックカントリーのみで機能する、滑走できると言っていい代物だ。
POWDERでの“エッジ”の無いボードは、重さはもちろん、深雪での引っかかりも無く、フィーリングの柔らかさが、なんとも表現しにくいが、気持ちいい〜
それはまさに、“雪山でサーフィンがしたい”に最も近いのかもしれない。
サーフボードの作り手である、TAKUYA”TAPPY”YOSHIKAWAによって生み出される、新しい雪遊びのオモチャ、ハンドクラフトによる、“エッジレスボード”。アウトラインの弧は、年々、外に向かっている。それはまるで、サーフボードさながらに…
近年、“TAPPY”がゲレンデを滑る姿を見ていない。そして、”エッジ“の付いたボードを持っている姿も…


DEUS POWDER TOOLS 
TAKUYA TAPPY YOSHIKAWA 
#DEUSPOWDERTOOLS

PHOTOGRAPHY - ATSUO ITAKURA