個展「リード・ミー・ハウ・トゥ・ドリーム」by ファジャール・カダフィ/ デウス・バリ
オープニングナイトとは、地元の人々やお客さんたちがアートへの愛を皆で分かち合うために集まる、素晴らしい坩堝(るつぼ)のようなイベントだ。そして2月25日(土)も、Fajar Kadafiファジャール・カダフィの個展「リード・ミー・トゥ・ドリーム」が幕を開け、様々な人々が集まった。
ファジャール・カダフィは、キャンバスを使って社会の状況を完璧にとらえ、偽善や文化的な失敗を、彼の特徴的なスタイルに乗せてスラリと浮き彫りにするアーティスト。そしてファジャールのアートには、彼特有の皮肉が込められている。彼が作品に風変わりなキャラクターを加えるのは、あえて子供らしさを持たせるため。それは多くの意味で、アートを見た人から驚きという反応を得たい、というアーティストの欲求と関係している。「僕は、クレイジーなアートを作りたいんだ。そうすれば、見る人がすぐに、”もっと見せて!”という気持ちになるからね」
彼は、自身の絵は、瞬間的にとらえられた感情を描いたものだと何度も振り返っている。だからこそ、キャンバスの中には鼓動が感じられ、彼の作品のひとつひとつに、移り気な命の息吹が感じられるのだ。
オープニングでは、会場に足を運んだ人々を楽しませるため、ファジャールがソロ・パフォーマンスを披露。無表情なピエロのマスクをかぶった彼は、自身のアートと同じようにたっぷりのユーモアを交えて、いろいろな文化のモノマネをした。
インドネシアのアーティスト、ファジャール・カダフィは、2003年から絵を描き続けている。インドネシア国立美術館が作成した「インドネシアで最も展望が明るいアーティスト」のリストに自身の名前が載ったことに、彼はとても感激し、謙虚な気持ちでいっぱいだった。
これまでに多くの個展を開催し、たくさんのグループ展に参加してきたファジャール。更に、彼は自身のアートワフォーマンス一座のクリエイターでもあり、画家として、そして音楽家としても活躍してきた。そしてまた、ウブドに「ビジーアートルーム」というギャラリースペースも所有している。
チャングーにあるデウス・ギャラリーで開催されている「リード・ミー・ハウ・トゥ・ドリーム」(2023年2月25日〜3月19日)を、是非ともチェックしてみてほしい。
そして、オープニングナイトに来てくれた皆の喉を潤してくれたビンタン・インドネシアとトゥー・アイランド・ワインズ、ありがとう。