
LAのLincoln Boulevardから、タイの陽に焼けた路地まで。
2月のDeusは、感動と泥くささのあいだを行ったり来たりしながら、
ちょっと笑ってしまうくらいの勢いで動いています。
新しい景色に触れて、新しい顔ぶれと出会い、
たまに自分たちの真剣さに自分たちで笑ってしまう。
そんな空気も含めて、今はすごくいい流れの中にいます。
SS26もローンチを迎え、各地であたたかく受け止めていただけたことに、感謝しています。そして次のシーズンに向けては、デザインチームにバトンを渡し、それぞれの視点で次の一着を選んでもらいました。
いまという、どこか不思議で詩的な時間に。
Until March,
The team at Deus.

リンカーン、真昼――楽園の手前で
アスファルトの上に、かすかな揺らめき。
ここでは光さえ、どこか重たく感じられる。
ゆっくりと熱を集めながら、あたりに満ちていく。
リンカーンは、その境目でただ停まっている。
地元の人たちは、ささやかな反抗のように、ゆっくりと歩く。
陽射しを借りたような気軽さで、誰のものでもない角を曲がっていく。
ここでの楽園は、ひどく現実的だ。
あらゆるものに触れながら、何ひとつ約束しない。
誰もがほんの一瞬、何か意味のある存在に見える。
まるで静かな合図をそっと渡されたかのように。
ここに留まるのか、去っていくのか、それとも、また始めるのか。
太陽は明日も昇るだろう。
同じ見事な無関心のままで。
Anonymous

ネオンが滲む、レコードの夜
バンコクの湿ったネオンの静けさの中、新しい店の扉は、儀式のようにではなく、ずっと待っていた再会のように開いた。
温かなヴァイナルから流れるタイ・ファンク、そこに混ざるローカルクラフトビールの鮮やかな苦み。
その熱をいちばん強く照らしていたのは、この街に根ざした誇りだった。
ただのオープニングではない。
この場所から、また新しい夜が動き出した。

SS26, Curated: Deusデザイナーが選ぶ今シーズンのお気に入り
デザイナーたちが選んだアイテムと、その背景にある世界をご紹介します。
この一着に、それぞれの世界がどう込められているのか。
Jesse Chick, Unisex Designer
Anityata Jacket - この一着に、自分の世界をどう落とし込んだか?
このコレクションをデザインしていた時期、強くインスピレーションを受けていたのが Cosey Fanni Tutti でした。アーティストであり、ミュージシャンでもある彼女は、自分にとって尽きることのないビジュアルと感覚の源です。
特に惹かれたのは、彼女がミリタリーやカモフラージュをまとうときの空気感。ただのスタイルではなく、もっと親密で、意味を帯びたものとして成立していた。その感覚がずっと印象に残っていました。
そんな中で古着屋で出会ったのが、ラフに丈を詰められ、無造作にポケットが付け足されたカモジャケット。誰かの手で大胆に変えられたその一着に強く惹かれ、Anityata の原型がそこから生まれました。
シルエットはユニセックスに再構築し、クラシックなブリティッシュカモをベースに、深いインディゴでオーバーダイ。柄の印象を落ち着かせながら、より静かで洗練された表情に整えています。高めの襟は、ミリタリーのムードを少し個人的なものへ引き寄せるためのディテール。オレンジのアームパッチも、あえて流れを崩す小さな介入として効かせています。
軽やかなコットンで、レイヤードしやすいのも魅力です。襟の上2つだけを留めて着るのが、自分なりの静かな Cosey Fanni Tutti へのオマージュです。
Brenda Briand / Womenswear Designer
Monte Carlo Knit Cardigan - この一着に、自分の世界をどう落とし込んだか?
幼い頃から、車やモーターバイクの音が身近にある中で育ちました。
“Queen of Speed” をデザインするうえでベースになったのは、Group Bラリーの黄金期やヨーロッパF1の記憶です。ニュージーランドのグラベルロードや、80〜90年代のF1ならではのサウンドは、今でも強く印象に残っています。子どもの頃は、ブラジル人F1ドライバーのネルソン・ピケにちなんで “PK” と呼ばれていました。
インスピレーションのひとつになったのは、フランス人女性ラリードライバーのMichèle Mouton。クラシックなレーシングストライプやチェッカーフラッグのモチーフを重ねながら、“Queen of Speed” の世界観をこの一着に表現しました。
Monte Carlo Knit Cardiganは、ウィメンズとして初めて取り組んだニットウェアでもあり、そのインスピレーションを形にするのにふさわしい一着になっています。
Steven Wong, Menswear Designer
アロハシャツ
特定の1着というより、今シーズン特に気に入っているのはAlohaシャツです。 この総柄のハワイアンシャツは、創設者Dare JenningsがMamboにいた頃から続く、“ラウドシャツ”の流れを受け継ぐDeusらしいアイテムです。アートをそのまま着るような感覚があり、旅や休日、プールサイドで過ごすようなリラックスしたムードを感じさせてくれます。
暑い南国のような気候で育った自分にとっても、自然と惹かれるスタイルです。 この夏の気分に合うのは、“Broadus”、“Mail-Man”、“Freamon” の3型。ボタンを閉めても、Tシャツの上に羽織ってもよく、軽いレーヨン素材とゆったりしたシルエットが魅力です。
長く愛されてきた定番の形であり、Deusのハワイアンシャツは今ではファンにとってコレクションしたくなる特別な存在になっています。


