Oily Rag - The March 2026 Edition

Oily Rag - The March 2026 Edition

Deusでは、いつだって何かが起きている。3月も例外じゃなかった。
それでも今月のOily Ragでは、少し視線を内側へ。

チームの何人かに、彼らの思考や習慣、そして日々の“気を逸らすもの”について聞いてみた。
それは単に仕事を形作るだけじゃなく、この場所の外で彼らがどんな世界を生きているのか――その輪郭までも浮かび上がらせる。
静かに広がりながら、周囲すべてに色を差していく、小さな火種のようなもの。

それではまた、4月に。
Deusチームより。

#01 SWANK RALLY ON ICE

スワンク・ラリー・オン・アイス

凍てつくピレネー山脈の高地で、「Swank Rally On Ice」が帰ってきた。
今回の舞台はアンドラ。精密なドライビング、機械仕掛けのショー、そして寒冷地ならではの享楽が交錯する週末。

3回目となる今回のSwank Rally On Iceは、カオスを全面的に受け入れた内容に。
吹き荒れる雪嵐、轟くエンジン音、スタッドタイヤが氷上を切り裂く――その舞台はCircuit Andorra。

Yamaha Motor Europeのサポートのもと、会場では“Drip ‘n’ Drift Coffee”が冷えた手を温め、人間のエンジンにも火を入れる。
コース外ではバギーが暴れ回り、そしてDeus × Yamaha XSR900の初披露も。
グリップが“前提じゃない”地形を支配するために作られたマシンだ。

またこの狂騒に飛び込む覚悟ができるその日まで。
まずは以下のダイジェストをチェック。

WATCH NOW

#02 GRAPHICS AND APPAREL WITH HARRISON EARL

グラフィックとアパレル ― ハリソン・アール

Deusのデザイナー、ハリソン・アールは、あらゆる“面”を物語へと変換する。彼の仕事はどこか秘教的で、感覚の奥に触れてくるものだ。
静止している衣服に対して、グラフィックはどんな役割を果たしているのか?

「無地の服って、静止したキャンバスみたいなものだと思っているんです。そこに命を吹き込むのが自分の役割。Deusには“服にアートを宿す”という豊かな歴史があって、それはブランドのアイデンティティそのものでもある。だからグラフィックを単なる“装飾”として捉えることはまずないですね。むしろ多くの場合、それは静けさに対する意図的な“ノイズ”なんです。

例えば、生地の動きや落ち感によって表情が変わるカスタムパターンのような“運動するグラフィック”だったり、フラットなジャケットに物理的な奥行きを与える刺繍だったり。僕らはアートが“後乗せ”されるんじゃなくて、あくまで服そのものから自然に生まれてきたように感じられるべきだと思っている。

Tシャツのプリントとして成立するグラフィックが、そのままジャケットの刺繍にうまく落とし込めるかというと、実際はそうじゃないことが多い。むしろほとんどの場合、成立しない。だからこそシルエットごとにアートを設計し直すことで、服を“カルチャー”へと昇華させていく。

自分にとって“服をアニメートする”というのは、ラックに掛かっている状態でも、グラフィックと服が共鳴しあい、ひとつの物語を語り始めていること。それって結局、Deusの原点にあるものなんですよね。すべてをカスタマイズする、っていう。」

#03 READING, WATCHING, LISTENING - WITH ALEX RAFAELLI

リーディング/ウォッチング/リスニング ― アレックス・ラファエリ

世界のスピードをゆるやかに落とす、小さな習慣や個人的な儀式。
すぐに消費されることに抗う、どこまでも開かれた時間。
Deusの“Route Seer”“Inventory Oracle”ことアレックス・ラファエリが、影響に対して常に“開かれた状態”でいられるのは、そんな日々の積み重ねによるもの。

Reading

  • 「The Long Shoe」ボブ・モーティマー
     UKコメディアンの奇妙な頭の中から生まれた、不思議でユーモラスな犯罪ミステリー。
  • 「Always Moving: The Strange Multiverse of Voivod」ジェフ・ワグナー
     メタル界でも屈指の独創性を誇るバンドのディープなヒストリー。じっくり読み進めているところ。

Listening

  • Chat Pile「Masks」
     オクラホマシティ発、ノイジーで荒々しい7インチ。Sub Popからの初リリース。B面のNirvanaカバーも秀逸。
  • Jaga Jazzist「One-armed Bandit」
     最近の発見。70年代カンタベリー系プログレとZappaの「The Grand Wazoo」が、現代的に融合したようなノルウェー産ジャズ・フュージョン。
  • Genesis「Wind & Wuthering」
     ガブリエル脱退後で最も好きなアルバム。まだプログレの色が濃く残りつつ、ポップへの移行も感じられる過渡期の一枚。
  • Ulver「Neverland」
     形を変え続けるノルウェーの異端。おそらく自分にとって最高のバンド。この14作目も、極上のアンビエント作品。期待を裏切らない。

Watching

  • 「The Studio」
     今さらながら視聴。カオスで、とにかく笑える。
  • 「Last One Laughing UK」
     新シーズンが公開。今回も当たり。
  • 「Small Prophets」
     『The Office』のマッケンジー・クルックによる、風変わりで超自然的なコメディ。かなりおすすめ。