Peace & Goreng

Peace & Goreng

ピース&ゴレン  - デウス バリ 

人は皆、楽しい近況報告が大好きだ。特に今年も残り僅かとなった今は、人と会っておしゃべりを楽しむ人も多いだろう。私たちの素晴らしい友人、アンドリュー・ウェルマンのアートショーは、生活がまたノーマルに戻ることを祝福する完璧な場所であり、言うまでもなく、なかなか会えない友人たち全員を一度に引き寄せ集める人気イベントだ。

完璧主義アンドリューの最新のショー「ピース&ゴレン」は、人生、愛、そして彼自身を笑顔にしてくれるものへの賛辞。壁一面には、彼がこれまでに出会うことができた人々のポートレートが飾られ、アンドリューがスリランカから何年にもわたりこっそり運んできた重厚感たっぷりの袋の数々の上には、彼らの似顔絵がすらすらと描かれている。チャングー・ハリ・イニは、それに視線を向ける人々が笑い皺を刻まずにはいられない、言葉遊びの15個の瞬間だ。マルチメディアを駆使したパネルは、私たちの知的好奇心を刺戟し、考えさせる。

オーストラリアのメルボルンで経験した9時から5時のシフト生活を抜け出し、1998年からバリ島に移住してアート製作を続けているアンドリュー。

彼が受けてきた美術教育は、決して形式的なものではない。彼は、ウブドのアート動物園でサイモンと一緒に働き、バリ人のはみ出しものアーティスト、サドラとコーヒーを飲んで時間を過ごしながら、彼らの素晴らしい視点を吸収していった。2002年、アンドリューは海と波の魅力に引き寄せられ、チャングーの田園地帯に家を構え、現在の生活に至っている。

彼が愛しているのは、自分が好きなものを作ることと、自分自身が作った作品。ランダムな笑顔、キッチンテーブルの上に飾られた花、手書きの文字、緑青、そして急に近づいてくる灰色の雲、これら全てが彼のアート作品にインスピレーションを与えている。
美はどんな場所にも存在しているもので、アートはギャラリーの壁だけに飾られているわけではない。サーフボード、子供の絵、愛情を込めて作られた料理、それらは全て、アンドリューの眼に映るアートなのだ。

そして、彼の最大のインスピレーションは、自分が本当に好きなことをやっている人々。

今はもう存在しない彼が昔お気に入りだった食堂で、ネネ・クトゥッは、チャングーで一番おいしいピサンゴレン(バナナの揚げ物)を作っていた。毎日、朝のサーフィンの後にみんながそれを喜んで食べているのを見て、彼女はとても誇らしげだった。それは正に、彼女の芸術作品だったのだ。

そして同じく、デウスギャラリーの壁に飾られている絵画、版画、マルチメディアも、アンドリューの愛情がたっぷりこもった、誇るべき芸術作品なのである。