サルディーニャを走り抜ける1,000km 新作アイテムはこちら
もしも、「事前準備なし、ぶっつけ本番の大会」があるなら、僕たちがワールドチャンピオンになることも夢ではない。今回のレースには、カリフォルニア出身のキアラン・ナラン、ニック・ラパリア、そして僕 フォレスト・ミンチントンの3人がデウスレーシングチームから派遣された。レースには、事前準備が何よりも大事だ。特に今回の2024スワンク・ラリー・サルディーニャには、多くの準備時間が必要だろう。しかし僕たちは、キアランが参加したバハ500のサポート、サーフィンにマウンテンバイク、他にも面白いことに夢中になっていて、準備の時間はほとんどなかった。
分刻みのスケジュールのような、具体的な予定なんて決められるものじゃない。バハからの帰り道、祝杯のテキーラで二日酔いではあったけれど、少しでも計画を立てる余裕はあったはず。地中海を横断する5日間のラリー、僕たちならそのくらいの時間で十分に計画できる。
そうは言っても、レンタルバイク、ロードブックホルダー、オドメーター、スペアパーツ、アシスタントカー、工具、公式レースへの登録、健康診断、イタリアのレースライセンス、エントリー費用、航空券、電車、自動車の手配、それからグーグル翻訳の用意、これだけの準備が待っている。
大会までの1週間、準備のために合計26回もの通話をした。電話代は膨大になったが、なんとかイタリアのミラノに到着した。デウス・ミラノの心遣いと配慮のおかげで、用意は周到、バイクの牽引も手配できた。僕にとっては2回目、キアランとニックにとっては初めてのスワンク・ラリー・サルディーニャだ。
今年はイタリア本土を出発してジェノバ港へ進み、フェリーで一泊したら島の西海岸を走る。中央部を通るルートを周回してから北上し、星空の下でキャンプする。そして最後にはポルト・トッレスへ戻り、お尻の痛みを我慢しながら、再びフェリーに乗り込むことになる。
サルディーニャの島には美しい道、ビーチ、透き通った海、心優しい人々、それから最高に良く冷えたビールがある。この島の山奥には、イタリア文化の素朴で洗練された村が点在し、そこからビーチにアクセスできるという、世界でたった一つの場所だ。近代的な利便性もありつつ、古き良き時代の魅力をそのままに残しているこんな場所は、世界中を探しても数えるほどしかない。
今回のラリーは、未開の山道、農道、消火用道路、農地、平坦な連絡道路などさまざまなコースを走る。トレイル間の往復に数kmもの距離を走ることもあったが、そのおかげでマシンにガソリンを補給しながら、道中のバーでエスプレッソを味わうことができた。
レースはグループでスタートしていたが、2日目、僕たちはデウス・イタリアの女性二人、カテリーナとエステルを「僕らと一緒に走らないか?」と誘った。すると彼女たちに「あなたたちが私たちと一緒に走るのよ」と訂正されてしまった。二人はエレガントに先頭を走り、僕たちは毎晩、静かに敗北を喫した。
ボロボロになったロードブックと準備不足のマシンに手こずる僕たちを助けてくれたのは、頼れるリーダーで気さくな笑顔が似合うアレッサンドロ・ロッシだった。エスプレッソとガソリンを燃料とする僕たちを面白がりつつも最後まで見守ってくれた。
アドベンチャー・ライディング・イタリアのレナートとチームのみんな、
そしてデウス・イタリアのみんな、僕たちを温かく迎えてくれて、素晴らしいイベントに参加させてくれて本当にありがとう!
また来年もよろしく、チャオ!
フォレスト・ミンチントン | Forrest Minchinton
Photos by Brett Dickinson and Alexandre Taube
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