THE GREAT SWANK RALLY DI SARDEGNA 2022

THE GREAT SWANK RALLY DI SARDEGNA 2022

ザ・グレート・スワンク・ラリー di サルデーニャ 2022  

4回目のSwank Rally di Sardegna (※イタリア・サルディーニャ島でのデウスのエンデューロレース「スワンクラリー」のこと)は、これまで以上に大きなイベントとなりました。ライダーとそのサポートチーム、そして運営スタッフを含めめると、10カ国から350人が参加するという、信じられないような大所帯で、サルディーニャ島に向かうフェリーに乗り込みました。

このような素晴らしいイベントを開催し、それを続けられるのはスポンサーやパートナーの皆様のおかげです。初開催時からずっと私たちを信じ続けてくれているヤマハ、車両輸送などを担当してくれた海運会社のGrandi Navi Veloci(グランド・ナビ・ヴェロキ)、そして毎年1月にイタリア・ベローナで開催される素晴らしいモーサーサイクルショーMotor Bike Expo(モーター・バイク・エキスポ)は、今回も親切でフレンドリーなチームを作り、イベントを支えてくれました。タイヤブランドのMetzeler(メッツェラー)は、ミラノ・マルペンサ空港近くのVizzola(ヴィッツォーラ)にある兄弟タイヤブランド/Pirelli(ピレリ)のトレーニング施設Campo Prova Pneumatic(カンポ・プロバ・ニューマティシ)でのテストを私たちに提供したあと、快くタイヤをプレゼントしてくれました。

そして時計ブランドのBreitling(ブライトリング)は素晴らしい賞品を提供してくれ、GPS技術を使ってナビゲーションなどさまざまな情報を提供するGarmin(ガーミン)はいつも正しい道を示してくれ、オイルブランドOlitema(オリテマ)はエンジンオイルをサポートしてくれました。そしてサルディーニャで数々のラリーイベントを展開するAdventure Riding(アドベンチャー・ライディング)が、高いプロ意識を持ってイベントを運営してくれました。

今回のイベントで印象に残ったのは、参加者の中に女性ライダーが多かったこと。他の多くの参加者がそうであったように、彼女たちの多くは、これが人生初のラリーでした。そこで今回は、初参加のカテリーナに、その時の様子を語ってもらうことにしました。

もし私がラリーを走るなら、それはサルデーニャで開催されるスワンク・ラリーだろうと、いつもバイク仲間たちと話していましたが、そのとおりになりました。

レースが行われる5日間、私はDeus Womensチームの一員となる幸運と名誉に恵まれました。正直言って、最初は少し怖かったんです。スワンクス・ラリーは4つのステージがあり、総走行距離は1000km以上と、なかなか過酷です。ミラノ北部にある国際空港近くのマルペンサから港町のジェノバまで走り、そして最後は海を渡ってサルデーニャ島まで。ここまでバイクで来るのは初めてだったので、不安はたくさんありました。バイクは大丈夫だろうか、自分自身にそんな体力があるのだろうか…と。でも、答えは「イエス」でした。

220人の参加者は、午後1時にマルペンサのモトクロスコースに集合し、受付を済ませ、オフロードコース1周のタイムを競うナイトプロローグに備えました。でもレースの本番は翌日から。だからナイトプロローグは、一緒に旅をしながらラリーを戦う仲間たちとの顔合わせ的な感じでした。

9月28()午前8時。ライディングウエアに着替えて、GPSで最初のトラックを選択し、バイクのエンジンをかけ、深呼吸してチームメイトに合図を送ったら、いよいよラリーのスタートです。

でも私はここで、数多くのステージの細部まで語ることはできませんが、少しでもラリーの雰囲気が伝わるようにチャレンジしてみますね。

森の中ではシングルトラックと呼ばれ、道幅が急に細くなり、でもその道は美しく、岩場に向かって緩やかに下っていて、それほどハードではないロックセクションを進むと、スペシャルステージと呼ばれるタイム計測区間があります。設定されたコースは素晴らしく、息を呑むような風景を味わうことができました。私はいま、スワンク・ラリーを体験している、と強く実感しました。でも終わりはやって来ます。この体験が、もっと長く続けば良いのにと思っていても、ゴールは近づいてくるのです。

コースは、アスファルトとオフロードが適度に入り交じったルートを、毎日200km以上走ります。でもそのなかでは、レースであるにもかかわらず、参加者全員が助け合いを強く意識していることに気がつきます。コース脇に停まっていると、他のライダーが追い抜き際に手を振って、トラブルなのかそうじゃないのか、確認し合うのがルールになっています。そしてもしトラブルだったなら、必要に応じて、ラリーに復帰するために必要なスペアパーツすら共有。るそんな、みんなのサポートでラリーが成立しているのです。

レースは自分自身への挑戦です。でもそんなスワンク・ラリーの雰囲気は、参加者を笑顔に変えていきます。不安でいっぱいの、私のようなラリー初心者も、走れば走るほど、笑顔が増えていくのです。

スワンク・ラリーはインクルージョン/包容力のカタマリです。私自身は、女性ライダーに対する「開放感」を体験しました。今年は約10人の女性ライダーが参加したそうです。けっして多い数ではありませんが、それでも前回よりは多い(と言われています)そうです。だから「開放感」というより、「憧れ」と言った方が正しいかもしれません。男性ばかりの環境にいると、女性であることを理由に、強さと女性らしさの、2つの顔を造り上げなければならないという、意識に駆られることがあります。でもスワンク・ラリーでは、そのような思いをしませんでした。女性ライダーとしてではなく、あくまでライダーとして扱われていると感じていたのです。

またスワンク・ラリーは、バイクファンの多くが知っているライダーたちに出会うことができる場でもあり、彼らは私に多くのことを教えてくれました。エンデューロ世界選手権で5度のタイトルを獲得したジョバンニ・サラとルートについて議論したり、マルコ・アウレリオ・フォンタナのようなMTBのオリンピックチャンピオンとテーブルを囲んだりすることもありました。

スワンク・ラリーでは走る歓び、アクセル全開の爽快感、美しい景色と仲間との楽しいおしゃべり、そしてたくさんの砂埃にまみれた素晴らしい体験をすることができました。この旅で私は、常に頭を上げ、自分の行きたい方向を見定めて走り続けるこことの大切さを学びました。

こんな素晴らしいラリーに挑戦する機会を造ってくれたみんなにお礼を言いたいです。

ありがとう、デウス・ファミリー! 
Thanks, Deus Family.

Photo -  @bearoll
Words -  @caterinalicini

#swankrallydisardegna