タンクとシートカウルはアルミ鋼板からたたき出した一品モノ。そのスタイルは1950年代に、イギリス・マン島で開催されていたTTレースに参戦していたマシンがモチーフになっています。その独創性に富んだスタイルやテクノロジーは、現ロードレース世界選手権/MotoGPにも匹敵するものでした。そしてこのグレーのボディカラーは、フェラーリから派生したもの。このエピソードで、The Moto Grigioがレーシングマインドによって製作されたことがわかります。
エンジンに話題を移しましょう。このマシンを製作したデウスUSAのメインビルダーであったマイケル“ウーリー”ウーラウェイは、カワサキW650の排気量を800ccにボアアップすることに多くの時間を要しました。そしてパワーアップしたエンジンにはケイヒン製FCRキャブレターと、2in1エキゾーストパイプ、それにスーパートラップ製スリップオンサイレンサーでまとめ上げています。また増大したエンジンパワーを受け止めるためにベルリンガー製のブレーキシステムをインストール。またスイングアームは、このマシンのためにクロモリ鋼管を組み合わせて製作。フロントフォークにはオーリンズ製のインナーカートリッジを採用し、リアショックはワークス製に変更しています。
BIKE BUILDER: The Emporium of Postmodern Activities, USA
DONOR BIKE: 2002 Kawasaki W650
CHASSIS: Modified stock frame; custom box-section swingarm
ENGINE: 800cc big-bore kit; Keihin FCR 35 flatslide carbs; 2-into-1 exhaust headers with Supertrapp silencer
BODYWORK: Hand-formed aluminium tank, seat hump & front fender
SUSPENSION: Öhlins USD forks; Works Performance shocks; Durelle adjustable triple clamps
WHEELS & BRAKES: 17in Sun rims; Durelle hubs; Buchanan spokes; Michelin tyres; Brembo front master cylinder & disc; Beringer 6-piston caliper; Grimeca rear master cylinder; flat track floating disc; Brembo caliper
DETAILS: Motogadget speedo; Woodcraft clip-ons; ASV levers; Motion Pro throttle
@wooliesworkshop
@deusemporium
Photo: @nevin.pontious