このヤマハSR500をベースにしたランドスピードマシンは、まさにデウスの始まりを象徴するマシンなのです。ランドスピードマシンとは、バイクやクルマで最高速にチャレンジする競技会に出場するマシンのこと。このSRは、DLRA/ドライ・レイク・レーサーズ・オーストラリアという、南オーストラリア州にある塩湖/レイク・ゲアードナーで行われる最高速レースに出場するために製作しました。
当時はまだデウスがスタートを切ったばかりで、カスタムバイクのスタイルや、いまでは当たり前となった日本のパーツメーカーからの、カスタムパーツの入手方法も確立する前でしたから。そこでデウスの創業者であるデア・ジェニングスは、日本語を話す人物を探していましたが、彼の主治医に紹介された人物/タカ・アオヤマはバイクのことについて精通しているのはもちろん、SRのスペシャリストだったのです。そのタカと、当時のデウス・シドニーのカスタムビルダーであったウォーレン・ゼヴォンが造り上げたこのマシンは、エンジンはスタンダードのままながら、吸排気系を変更してパフォーマンスをアップ。日本のニトロヘッズ製アルミタンクを中心に、アルミ製のビキニカウルやサイドパネル、エンジン前側のマッドガードを製作。最高速チャレンジに必要ないフロントブレーキは取り払い、低いセパレートハンドルとバックステップで武装しました。
そのスタイルは、典型的なカフェレーサーであり、ストリートカルチャーと速さに挑むレーシングスピリッツを見事に融合していました。
BIKE BUILDER: Warren Zevon - The House of Simple Pleasures, Australia
DONOR BIKE: 1978 Yamaha SR500
CHASSIS: Modified stock frame; stock swingarm
ENGINE: Big-bore header with reverse-cone mega silencer; Mikuni carb; K&N air filter
BODYWORK: Nitroheads aluminium tank; single seat
SUSPENSION: Stock forks with uprated springs; Ikon shocks
WHEELS & BRAKES: Front brake removed
DETAILS: WM rearsets; custom alloy frame protector
@deushouse
Photo: @carbyt