デウス浅草で感じたシカゴの風
シカゴの伝説、ジョー・シャナハンがデウス浅草に家族総出でやってきた。
初対面だけど、そんなことはどうでもいいくらい颯爽と現れた。DJを務める娘タラと息子マイケルを連れ、どこを切り取ってもスマートな立ち振る舞い。登場のタイミングも、スタッフへの気遣いも、細かいところまで実に行き届いていて、さすがだな。数々のビジネスを成功させてきた男は違う。
しかも、USB1本の時代に、わざわざシカゴから重たいレコードを持参。日本で買ったものもあれば、長年大事にしてきた1枚も。こういうこだわりがまた、ジョーの人間味が滲み出ていてグッときた。
丈夫そうなレザーのレコードバッグのストラップのほつれが長い歴史を感じさせる。
彼のことを詳しく知りたい人はWikipediaでも見てみてくれ。
その場のエナジーに引き寄せられるように、DJブースではGomezがグルーヴを紡ぎ出す。選曲も抜群で、妙にジョーともフィーリングが合う。いい音にはいい流れが生まれるってやつで、フロアの空気は最高に熱い。愛とバイブスの塊みたいな空間が出来上がる。来ていたみんなも、自然と笑顔になっているのが印象的だった。 そして、ジョー&タラ親娘がDJブースに登場。阿吽の呼吸、まるで2人で1人、一心同体。お互いをサポートし合いながら、楽しく次々と音楽を繋いでいく。しかも全部レコードで。日本で買ったばかりのものから、ジョーが10歳の時に初めて買ったというローリング・ストーンズの「Get Off My Cloud」まで。10歳の時に買ったレコードを68歳になった今も嬉しそうに大事にしているその姿、たまらん!最高すぎる。
そして、スカイツリーがライトアップされた頃、ジョーとタラがフェードアウトさせると、場内は大喝采。シャナハン・ファミリーは笑顔で春の夜風に乗って、次の場所へと向かっていった。 シカゴの風、確かに感じた夜だった。行ったことないけど、間違いなく感じた。 確かめるために、私たちもシカゴへ行かなくては! お誘い待ってるよ、ジョー!
ジョー・シャナハン
80年代以降のシカゴ産ロックからハウスまでを担うクラブ、Metro や Smartbar のオーナーとして、30年以上音楽シーンで活躍する名高いプロモーター。地元・国内・国際レベルであらゆるジャンルのアーティストを支援し、シカゴの文化を築く一翼を担っている。
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Photographer Atsuo Itakura