電動バイクについては、賛否両論、さまざまな意見が飛び交っています。エンジンが無いんだから、排気音も振動も無い。それにほとんどの電動バイクのモーターは、低速から高速まで幅広い速度域をカバーするからギアチェンジも必要ないから、クラッチ操作から解放される。それが良いことなのか、バイクをつまらなくしてしまうのかまったく分かりませんが、デウスUSAのチーフビルダーであったマイケル“ウーリー”ウーラウェイの電動バイクに対する最初の印象は、私たちとちょっと違いました。燃料タンクが必要ないんだから、それだけでバイクのカタチが自由になる、って言うんですから。
アメリカをベースに、いまや世界でトップクラスのパフォーマンスとセールスを記録する電動バイクブランド/Zero Motorcycleと、ウーリー自身が出場したアメリカのヒルクライムレース/パイクスピークで出会ったときに、ウーリーはそう感じたそうです。そしてその先進的な技術を持つブランドとあっという間に打ち解けて、このZero Motorcycleのスポーツ電動バイク「SR/F」をベースにしたマシンを造り上げました。
注目して欲しいのは、そのカウル。フロントカウル上部と燃料タンク位置にあるカバー&シートカウルは一体成形なんです。燃料タンクがないといっても、ライダーが跨がる場所を確保するために成形したカバーは、フロントカウルとの間に、Zero Motorcycleの美しいトレリスフレームが見えるように設計しています。
なんとこのカウル、航空機や宇宙関連技術の開発を行うLockheed Martin社の宇宙航技術のエンジニアの力を借りて製作しています。とはいってもそのデザインには造形用粘土や木型を使用し、3DスキャナーやCADなどデジタル設計技術は使用していないのですが…
じつは電動バイクとカスタムバイクの世界って、相性が良いのも。この車両を見ると、そんな風に感じてしまいます。
BIKE BUILDER: Woolie - The Emporium of Postmodern Activities, USA
DONOR BIKE: 2020 Zero SR/S
CHASSIS: Stock frame & swingarm
ENGINE: Stock Zero electric motor
BODYWORK: Carbon-fibre monocoque bodywork with one-off Zero Gravity screen
SUSPENSION: Showa BFF USD forks; Showa BFRC shock; Attack triple clamps
WHEELS & BRAKES: 17in Dymag carbon wheels; Pirelli tyres; J.Juan brakes; J.Juan rear thumb brake lever
DETAILS: Saddlemen seat; custom rearsets; Woodcraft clip-ons
@deusemporium
Photo: @mike.biggins