３回目のライドでは、LAのコンクリートジャングルを離れ、マリブのヒンターグラウンドを探索することにした。マリブと言えば、最高のビーチと広がる海の絶景を思い浮かべる人が多いと思う。でも実は、マリブには本格的な山もある。いつものように、ルート内には隠れた名所をいくつか投入。その中には、地元のサイクリストの殆どが実際に走ったこともなければ聞いたことさえないような、秘密の場所もあった。
まずはデウス・エンポリウム (デウスアメリカの 名称)でコーヒーと焼きたてのペストリーでエネルギーチャージ。そして自転車に足をかけ、その日の試練一発目に挑む前に、ペニスやサンタモニカを少し走った。最初に突入したのはカリフォルニア・インクライン。普段は信じられないほど車が多く、ソロサイクリングには不向きな場所。でも、時間が早朝だったことと、こちらが100人以上という車に負けない集団だったことが幸いし、マリブに向かいながら、サンタモニカベイのとびきり美しい景色を堪能することが出来た。
そして、短時間ではあったけど、世界的に有名なパシフィック・コースト・ハイウェイで素晴らしい走りをした後到着したのは、最初のチャレンジポイント、ビッグ・ロック・ドライブ。「魂の叫び」とか「何としてでも避けるべき登り坂」なんて呼ばれているスポットだけど、私たちはそんな言葉に惑わされるほどヤワじゃない！
最初の部分は、勾配が約17%でかなり緩やかだった。でも本当に面白くなったのは、ゲートに到達した瞬間だ。車にとっては行き止まり。でも野心家で冒険心旺盛なサイクリストたちは誰にも止められない。私たちは馬を降り、ゲートをよじ登り、そこまでの流れはスムーズ。でも、自分たちの目の前に悪いことが待ち受けているなんて、その時の私たちは知る由もなかった。
1.5kmほど走ると、舗装路から突然砂利道になり、そして傾斜は24%まで上昇。この急勾配で、一息つくために立ち止まった人が何人もいたことは言うまでもない。グループ内の誰もが大きく抱いていたのは、「こんな場所を選んだのは誰なんだ！」という疑問。それは秘密にしておこう。
一番キツイ登り坂を乗り越え、再び滑らかな舗装道路に出た私たちは、サンタ・モニカ山地にある驚くほど有名で息を呑むほど美しい休憩スポット、サドルピークに到着するまで登り続けた。そこではレーシングカーのSAGと合流。そしてありがたいことに、キンキンに冷えたトニックで水分補給もできた。あの登りはキツかった！と文句を言う人は不思議と誰もいなくて、むしろ登りをいかに克服したか、そしてそれがどんなに楽しかったか、皆がそれぞれのエピソードを語り合っていた。
短い下り坂の後、短くてさっきよりは楽な登り坂を走ると、見えてきたのはお次の醍醐味、くねくねの下り坂、ピウマ・ロード。ピウマ・ロードは、地元の自動車やバイク好きの人々がよく利用する道だ。その理由は、めちゃくちゃ楽しいから。ブレーキをほとんど使わずに下ることができるスムーズなS時カーブの連続は、まるでディズニーランドにあるアトラクション。長い登りで疲れていた私たち全員が求めていた息抜きだった。
ピウマ・ロードを右に曲がると、次のお宝スポット、コールド・キャニオンと呼ばれる道に出た。コールド・キャニオンと呼ばれるのには理由があって、冬の間はこの辺りで一番寒い場所になる。でもこの日は夏で、それを感じさせない天気だった。コールド・キャニオンを走るのは楽しい。道路沿いには緑の木々が生い茂り、美しい牧場が連なり、路面も申し分なし。でも、最終セクションに差し掛かると、15〜17%の勾配と40度の熱気に真っ逆さまに放り出される。幸いこの区間はかなり短かったけど、すでに標高900m以上を登った後だったから、誰もがそのハードルを感じずにはいられなかった。
それを越えると後は楽勝。アイコニックなマルホランド・ハイウェイを少し走った後、これまでに比べるとかなり緩やかなオールド・トパンガ・ヒルを登るだけで、あとは全て下り坂だった。「ホーム」までまっすぐ走る。ライドの中でそれが一番気持ちの良い瞬間だと感じるライダーたちもいる。
そして〆はアフターパーティー！
皆、冷たいビールと料理を楽しむ準備は万端だった。沢山のビールを用意してくれたファイアストーン・ウォーカー・ブルーイング・カンパニーの皆さん、ありがとうございました。私たちはデウス・エンポリウムでリラックスし、ビールを飲みながら語り合い、素晴らしい1日を振り返った。
参加してくれた皆さん、本当にありがとう。また次回会えるのを楽しみにしています。第４弾に乞うご期待！
Photos by Mia & Roman Cantelearist / Hedo LA
