他国への移動が制限された2年間を経て、ディーン・パーマナが3月初旬に再びバリに戻ってきたのは最高に嬉しい出来事だった。クタで行われるイベントに、バツカラス ジュニアサーフのコーチとしてやってきたのだ。しかしバリに滞在中、彼はパドロール・ロングボード・クラシック・シリーズへの招待を受けた。サヌールのシンドゥ・ビーチで大会が行われたのは、2022年3月19日と20日の2日間。競技に参加し、波の上で戦うために彼が滞在を延長することに、皆は喜んで賛成した。結果的に、それはデウスクルーの顔ぶれが再び顔をあわせる最高のきっかけをもたらしてくれることになった。
デウスがまだバツカラスにいたデニ・ピルダウスに連絡をとると、彼はすぐに駆けつけれくれた。そうなると、残るはローカル・グライダーのアヨック・ダマラ。彼も、たったの電話一本で大会への参加を承諾してくれたのだった。初日の天気はイマイチ。雨が止むことはなく、その日に来るはずだった波は、次の日までおあずけ。その理想的とは言えない状況の中、男子と女子、両方のファースト・ラウンドがスタートした。ブレイクが遠すぎたため、サーファーたちは、ジュクンの海岸からフェリーで移動することに。多くの観光客が写真を撮るほど綺麗に装飾された小さなバリの漁船が、彼らをポイントまで運んだ。
しかし、小さな波と悪天候でも彼らの情熱は消えない。むしろ彼らは、久しぶりに一緒になれたことをただただ喜んでいるかのようだった。何故なら、イベントに再び参加できること、それこそが彼らが心待ちにしていた瞬間だったのだから。そこには笑顔と笑いがあった。波をシェアし、ハイタッチを交わし合う。ファースト・ラウンドが無事終了すると、イベントは翌日まで延期されることが決まった。
しかし、その日はそれで終わらなかった。大会は、コンテストの代わりに社会的呼びかけうを行うことにしたのだ。会場に隣接するシンドゥ・ドゥワラワティのタートル保護施設に招待されたサーファーたちは、小さなカメたちを海へと放ち、その後、全てのサーファーたちがパドルアウトして円陣を組み、過去数年間に亡くなったローカルサーファーらの死を悼むため、しばしの沈黙と共に海に花を投げた。
2日目は、晴天と多くの波で開幕。会場には大会を見にきた多くの人々の姿が。しかし残念ながら、昼前に急に潮が上がり、多くの波が奪われてしまった。選手達は、ただじっと座ってセットウェーブを待ち続けなければならないハメに。しかも、それは決勝までずっと続いた。
そんな中、ショーのスター達は、悪状況を突破し決勝へと進出。決勝に残った4人は、ディーン、デニ、アヨック、そしてクタ・ハーフウェイ出身の才能溢れるローカル・ロングボーダー、ダニー・ウィディアントだった。
結果は、ディーンが1位、それに僅差でデニが2位と続き、ダニーが3位、アヨックが4位に。デウス・ボーイズだちは大健闘してくれた。
7月に開催される次のイベントが既に待ち遠しい。もう前のように長く待つことなく、我らがスターたちがまたすぐに再会出来ることを祈ろう。
Photos by Didit Prasetyo Adiwibowo Deus Bali
