写真家Woody Goochウディ・グーチの作品には、言葉にしなくても伝わってくる、静かな空気があります。それはどこか遠くへ連れていかれるようでいて、気づけば、すぐそばに立っているような不思議な距離感。彼にとって写真は、何かを「作る」ことではなく、そこにすでに在るものに気づくこと。風景が、ふっと自分のリズムを見つける。その一瞬に立ち会って、消えてしまう前に、そっとすくい上げる。そんな写真を撮る人です。
Q.あなたの写真には、ずっと前からそこにあったみたいな静かさが宿っている気がします。この空気は、どうやって生まれているんでしょう?
Woody
うーん、正直なところ、あんまり「作ろう」とはしてないんだよね。現場には、だいたい何も決めずに行くよ。色々考えすぎるより、感じること、直感が大事な気がするんだ。そうすると、その場が勝手に動きはじめるんだ。バラバラに見えてたものが、急にリズムを持ちはじめるっていうか。その瞬間に立ち会えたら、「今日は来てよかったな」って思うよ。
Q.自然も、人も、思いどおりにはならないよね。その中で、シャッターを切るタイミングはどうやって決めているの?
Woody
「決める」って感じでも、ないかもしれない。たぶん、「今だ」って瞬間を探してるだけなんだと思う。天気が変わっても、誰かの気分がちょっとズレててもさ、そういうときのほうが、いい表情が出てくること、けっこう多いんだ。だから僕は、それが消えちゃう前に、そっと拾ってるだけ、って感じかな。

Q.一緒にものを作るうえで、いちばん大切にしていることは?
Woody
やっぱり、信頼かな。「好きにやっていいよ」って言われると、自然と、いい呼吸になるんだ。自分らしくいられると、写真も、ちゃんと自分のものになる。そういう関係で仕事ができると、作品も、勝手に深くなっていく気がするよ。


