Noosa 8  Deus Surf Swap & Film Night デウス・サーフ・スワップ & フィルム・ナイト

Noosa 8 Deus Surf Swap & Film Night デウス・サーフ・スワップ & フィルム・ナイト

サーフ・スワップは、デウスが主催する楽しく刺激的な催し物の数々の中でもお馴染みのイベントとなった。情報に疎い人たち、デウスを知って間もない人たちのために説明すると、デウス・サーフ・スワップ・ミートは、サーファーたちの興奮がピークに達する場所であり、歴史を刻んだボード、オールドスクールなスケートボード、そして90年代以前のこの上ない活気を呼び起こす全てのヴィンテージ・グッズを祝福するイベントである。

過去の作品から刺激を受けたモダンなデザイン。それは、服のデザインからサーフボードの制作に至るまで、デウスが手がける全てのプロジェクトにおいて大切にされているアイディア。デウスは、過去に起こった全ての歴史を祝福し、その昔のアイディアを、新しく興味深い方法で現代にもたらしたいと思っている。何においても、インスピレーションの基本は過去にあるものだ。

先週のイベントも、これまでと同じように沢山の刺激に溢れていた。美しいヴィンテジボードが並び、様々な分野の顔ぶれが来場。テーブルはあらゆるサーフ用品で溢れ、裸足でやってきた沢山の人々が、それらを入念にチェックし、購入していった。

デウスの友人であるダリル・ホーマン(先週のブログで紹介したヴィンテージボード界の著名人)も、素晴らしい昔のシングルフィン・コレクションを持ってイベントにやって来た。その中でも群衆のお気に入りとなったのは、サム・ホークの丸いピンテイル。サーフボードが進化を遂げていた真っ只中に生き、その設計、構築の全てを目の当たりにし、あらゆるボードに乗ってきたダリル。そんな彼の話が、イベント内で注目の的となったのは当然のことである。彼は、ディック・ブリューワーのレールが何故あんなに四角いのか、何故ヘイデンのフィンはあんなに後ろ側にあるのか、そして”あそこに置いてあるボードは…”と、テリー・フィッツジェラルドが初めてシェイプしたボードの云々を語っていた。

イベントは、サーフの伝統を知る年配のサーフマニアたちの話で盛り上がる素晴らしい集会となった。彼らはビールを片手にそれぞれの個性豊かなサーフアイテムについてのストーリーをシェアし、熱く燃える知識の聖火のバトンを次の世代へと渡していた。太陽が降り木々の間を照らし、その日が終わり始めると、デウス・フィルム・ナイトの時間が近づいて来た。待望のデウス・ムービー、『Death Riders a Horse』だ。

7pmピッタリに劇場のドアが開き、人々が群がる。その中には、最近サーフィンを始めたばかりで興味本位でやってきた若者達もいれば、真のサーフィンと砂埃が舞うメキシコの砂漠で繰り広げられるバイクの冒険を一目見たくてたまらない出席者たちもいた。

良いサーフ・ムービーのどれもがそうであるように、観客たちは、大きなスクリーンの中を勢いよく動き回っているのが自分たちだったらいいのにと願いながら、然るべきタイミングで叫び声を上げていた。映画出演者の隣に座っていたラッキーな観客は、唯一無二の場所を舞台にした壮大なアドベンチャーの裏で起こった、関係者だけが知るハプニングの数々について話を聞くことが出来たかもしれない。『Death Riders A Horse』の未公開シーンはもうすぐ公開されるのだろうか?是非見てみたいものだ。

劇場から出ると、観客たちの会話から、”絶対サーフ・トリップに行くぞ!”、”俺たちいつまたメキシコに行くんだよ?”、”バイクを買って、遠くに行こうぜ!”といったお決まりのフレーズが聞こえてきた。この会話こそが、デウスが求める最高の褒め言葉なのである。それは、映画のストーリーが人々に刺激を与え、どこかへ行きたい、自分たち自身の冒険の旅に出て、思いもよらない場所で最高の時間を過ごしたい、という彼らの意欲を掻き立てたことを意味するからだ。

イベントのために場所を提供してくれたJシアター、そして、午後から夜にかけて喉の渇きを潤してくれた、ドリンクスポンサーのストーン&ウッドとホワイト・クローにお礼を言いたい。今考えてみると、映画は実はそこまで良くはなかったのかな?ダリルのストーリーは嘘っぱちだったのかも?君たちが提供してくれた美味しいお酒の力で、全てが輝いて見えていただけだとしたら?まあそんなのどっちだっていい。だって、あの夜に刻まれた僕たちの思い出はとにかく楽しいものだったし、皆で一緒にそれを経験することができたのだから。

Photos by Kenyon Batterson.