Firefly(日本語でホタル)と名付けたこの車両は、日本で行われているビンテージバイクレース「BOBL/Battle of Bottom Link」に出場するために製作したマシン。Bottom Linkとはホンダ・スーパーカブなどに採用されているフロントサスペンション形式で、フロントブレーキを掛けたときの車体姿勢の変化が小さくて、車体のバランスが崩れやすいブレーキング時でも車体の安定感を高めるのが目的で開発されました。BOBLは、そのフロントサスペンションを持つ1964年以前の車両のみで争われるレースなのです。そのレースに出場するべく、当時デウス・ジャパンのモーターサイクルオペレーションディレクターであったマシュー・ロバーツは、そのスタイルとパフォーマンスを高めることを目的に、この車両を造りました。最大の特徴は、その細さ。燃料タンクカバーとシートカウルを兼ねた、エポキシ樹脂で造り上げたモノコックボディは、最大幅わずか10.5cm。そのボディラインは、マフラーのラインと美しくリンクしています。
前後ホイールはDID製の17インチアルミ製リムに変更していますが、エンジンやボトムリンクサスペンションの中身はオーバーホールと消耗品のパーツ変更を行い、レースを楽しむために必要なアイテムを追加しました。かつてホンダがマン島TTやロードレース世界選手権に挑んだ小排気量マシンたちは、とにかくスリムでした。いまそれらを見ると、細すぎて、どうやって乗っていいか戸惑ってしまうほど。このFireflyも、それくらい細い。そしてそのカタチは、じつにユニークです。
Bike Builder: Matt Roberts - The Residence of Impermanence, Japan
Donor Bike: 1961 Honda Super Cub
Engine: Big-bore kit; Mikuni carb; custom exhaust
Bodywork: Epoxy composite monocoque body; alloy fuel cell
Suspension: External front damper; adjustable shocks; custom top fork clamp
Wheels & Brakes: 17in DID rims laced to stock hubs; stock brakes
@deusresidence
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