TNT 2022 - Sandi Maulana

TNT 2022 - Sandi Maulana

TNT 2022 - Sandi Maulana サンディ・マウラナ

は「Tea N Toast Cup」というレースイベントに、初開催時から第3回大会まで、欠かさず参加してきました。まぁ、僕のお気に入りレースってわけです。で、このレースに参加する、いわゆる“通"なレーサーたちは、頭文字を取って『TNT カップ』って呼ぶんですよね。もちろん、僕も“前回のTNTカップではさぁ…"なんて仲間と話し込んだりしています。
でもどういうわけだか 第4TNTカップの開催日程を知ったのは、開催まで1週間を切ってから。ご想像のとおり、僕は大パニックになりました。

4TNTカップのキャッチフレーズは、インドネシア語で「Pacuan di Tanah Pakuan」。英語で「Racing in the Ferns」、日本語だと「シダのなかのレース」かな。うーん、インドネシア語にある語呂遊びみたいな感じが無くなっちゃうんだけど、英語でも日本語でも、わかりやすく説明するとそうなっちゃうんですよね。

とにかくこの大会は、インドネシアの首都ジャカルタの南にある、ボゴールの郊外にある、コース面積は3.5haと広大で、素晴らしいロケーションで開催。今年2022年は、「ボゴール・インターナショナル・カーニバル」という巨大なカーニバルの一部として開催されたのでした。

しかし僕にとっては、米国ミルウォーキーで開催されるカスタムバイクイベント/Mama Tried Showに組み込まれている、体育館のような屋内競技場で行うフラットトラックレース/Flat Out Fridayを運営するJeremy Prachが赤いオーバーオールを着てチェッカーフラッグを振ってくれたことや、彼のビジネスパートナーであるScott Johnsonがレース会場に来てくれたことが、僕にとってはまさに、インターナショナルなイベントになったって実感した瞬間でした。

イベント前に話を戻すと、レースのために、僕の古いスズキTS100タイプERを仕上げることは、本当にストレスでした。まぁ、レーススケジュールをチェックしてなかった自分の責任なんですが…今大会は、2日間で4つのレースを行うという新しい形式。その4レースの合計点で総合順位が決まります。

僕のバイクは、準備の時間が足りなかったにもかかわらず、レースはうまく行きました。1台のマシンと1人のライダーで、4つのレースすべてに参加するのは大変だったけど…。
土曜日の予選はうまくいきました。でもこのレースで僕のバイクには、深刻な問題が起きてしまいました。まぁ、ヴィンテージの2ストロークエンジンでレースを走るとよく起きる、あれですよ。初日からずっと気温が高く、そんな状態で走り続けているうちに、エンジンがね、そう、なんて言うか、焼き付いちゃったというか…とにかくシャレにならないほどピンチに陥ってしまったのです。

でも僕をサポートしてくれているバロカ・ボーイズは、その晩の寝床となるテントの前で、バイクを分解し、修復に取り掛かってくれたのです。そして日が沈んでから、ようやくバイクを復活したのでした。

その甲斐あって、2日目からも出場できることになりました。

翌日の第1レースは無事に終了し、良いポジションを確保することができた。でも第2レースでは、またしても昨日と同じ問題が出てしまった。また発作が起きちゃったのです。でも、もう一度エンジンを引きずり降ろす時間はありませんでした。だから、あとのレースに出場するためには、誰かにバイクを借りるという選択肢しかありませんでした。もちろん、優勝なんて遠い存在になっていましたが、走ると決めた以上は、どんなことをしても走りたくて。

でも不思議なもので、借り物バイクで出場したことで、勝負というプレッシャーから解放され、とにかくレースを楽しむことができたのです。それは、ただただ楽しい時間。ずっと笑顔があふれ出してきました。これだね、バイクの楽しさは。

ということで、すでに来年が待ち遠しいです。

イベントの詳細は こちら TNTCUP
ライダー サンディ・マラウナのインスタグラムはこちら Sandi’s Instagram
Photos by Yulian Abdul Sidiq